大規模修繕の流れ:工事編
無事に契約も済み、いよいよ工事着工です。
ここでは大規模修繕工事で行なわれる主な工種をご説明します。
居住者の皆様への説明会を行います。施工会社には説明会資料を用意してもらい、注意事項などをわかりやすく説明してもらいます。
居住者様からも気になる点やわからないことなどを質問してもらいます。
共通仮設工事とは修繕工事を進めるにあたり、各工事共通で使用する仮設物の設置のことで、現場事務所・資材置場・電気設備・仮設水道などがあります。
足場仮設(直接仮設)は外壁など、手が届かない高い箇所を作業するために足場を設置する工事のこと。
現在は鋼製枠組足場とクサビ式足場が主流となっています。
落下や材料の飛散を防止するためにメッシュシートを張ります。
下地補修工事は建物本体のひび割れ・爆裂などによる鉄筋の露出・欠損・浮きなどを補修する重要な工事です。
この後で行う塗装工事や防水工事の仕上がりにも影響を与えます。
シーリング工事は外壁の目地やサッシ・建具の廻り等から水や空気が侵入するのを防ぐために行います。
劣化したシール材を撤去して、新たにシール材を充填します。
鉄部塗装工事はメーターボックスや鉄骨階段など、建物内の鉄製のものに対して耐久性や美観の向上のために行います。塗装前にケレン(錆落し)を充分に行なってから塗装をしていきます。
外壁洗浄は経年で溜まった汚れを落として塗料や防水材の接着をしやすくします。
1c㎡あたり120~150kgの水圧で洗浄する高圧水洗浄とタイル面などの場合は薬品を併用して行う薬品洗浄があります。
内外壁塗装工事は躯体保護・美観の復元を目的とした工事で、壁に塗料を塗り重ねていきます。
最近の技術開発により耐候性・耐汚染性に優れた塗料を選ぶことができます。
防水工事には屋上・バルコニー・ルーフバルコニー等の部位ごとに様々な工法がありますが、どれも漏水防止と躯体保護を目的としています。
美観というよりも、建物本体の保護・住生活環境を守るための重要な工事です。
開放廊下・階段などの床に塩ビシートを貼付します。防水性と遮音性があり、滑りにくく、深夜に気になる歩行の足音も解消します。様々なパターンや色を選ぶことができ、仕上がりに高級感もあります。
足場を必要とする工事が終わり、解体前検査を終えると足場の解体作業を行います。安全に注意しながら進めていきます。
検査は足場解体前に行う中間検査、全工事が完了した後に行う竣工検査があります。いずれも施工会社の社内査定の後に監理会社、そして最後に理事会・修繕委員会等、居住者様の目で確認します。
工事完成図書は、今回どのような工事が行われたかを記録した報告書です。次回の修繕工事の参考資料ともなり、今後の維持管理に有用な資料です。大切に保管しておく必要があります。